天体写真 今年の総集編?
昨日も今日もお休みですが、昨日は昼でも気温が2~3℃で風速10m近い風が吹いていたので、ほとんど外に出る事はありませんでした。
寒くても風が無ければ少しくらいは写真でも撮りに行こうかと思いますが、さすがに昨日のような荒れた天気では・・・(^^;)
ところで、天体写真についてなんですが・・・
2012年のちょうど今頃に、物置でずっと眠っている天体望遠鏡があるのを思い出して、ちょっとまた使ってみたくなったのが天体写真を撮り始めたきっかけでした。
ビクセンの「NEW POLARIS R150S」という機種なんですが、頂いた入学祝いやその他諸々を資金にして、1984年の3月に購入しました。
当時は天体写真の撮影がコストや技術的な面からなかなか難しくて、私にはせいぜいフィルムカメラで月面を拡大撮影するくらいしかできなかったので、その他の天体については接眼レンズを覗きながらスケッチばかりしていたのをよく覚えています。
1986年に、あのハレー彗星が接近した時もこの天体望遠鏡で観望していたのですが、アルバイトが忙しくなるにつれてあまり天体観測しなくなり、ついに物置の中へ・・・(^_^;
それから25年近く経ち、天体写真がフィルムからデジタルに変わって比較的手軽に撮れるようになったとの事で、ちょっとした好奇心でやってみたくなったのですが・・・
物置に仕舞い込んでずっとそのままだった天体望遠鏡は、とりあえず手入れをしようと思い、いきなりバラバラに分解してしまいました。
主鏡と斜鏡は汚れていましたが、再メッキする事無く使えそうなのでこの後洗浄して・・・
缶スプレーで塗りながら、ムラになった部分などに布やすりを当てて滑らかにして、その上から何度か重ねて塗って全体が均一に仕上がるようにしました。
赤道儀はバラバラにしてグリスアップまではできなかったので、クリーナーを付けてゴシゴシと拭いただけです。
後は元のように組み立てて、ネットを参考にしながら光軸調整などやった上でこのように普段使っているSONYのミラーレス一眼を取り付けて現在も撮影していますし、これからアップする写真もすべてこの機材で撮影したものです。
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左上からりょうけん座のM94、しし座のNGC2903、おおぐま座のM81、82、りょうけん座のM106です。
左上からおおぐま座のM101、しし座のM65、66、NGC3628、おとめ座のM104、かみのけ座のM64です。
かみのけ座のNGC4565
全部今年の1~4月頃に撮った渦巻銀河で、渦巻銀河と呼ばれる天体は距離が数千万光年と途方もなく遠いものが多いし、そんな天体は淡くて小さくしか(全部トリミングしているので大きく見えています)写りません。
ISO1600~3200 露出時間30秒で90~300枚コンポジットして(露出時間45分~2時間30分) 強調処理を加えたものばかりです。
高松という地方都市の市街地近くに住んでいるので光害の影響を受けてしまうのですが、それでも1枚に1時間半前後という露出時間をかけたおかげで、何とか姿はわかるくらいに写ってくれているのですが・・・(^_^;
この辺りから天の川ばかりに目を向けていたので、自宅からの撮影はあまりありませんし、天候にもあまり恵まれなかったような・・・
5月23日の深夜に撮影したものなんですが、5月は透明度が高くて天候に恵まれた日が多く、自宅からこれ以外にも別の日にいくつか撮影していました。
天の川が見えるほどではないんですが、自宅前にしてはよく星が見えていたので、撮影しながら星空を眺めていたのを思い出します・・・
*惑星状星雲は、超新星にならずに一生を終える恒星が赤色巨星となった際に放出したガスが中心の白色矮星の放出する紫外線に照らされて輝いているもの
こぎつね座の惑星状星雲 M27
5月28日に撮影したものなんですが、この日も撮影条件は良くて一晩で3つの天体を撮りました。
露出時間20~30分で済んでしまい、写りも良かったのですが、光軸調整が良くなかったり、赤道儀の調子が悪かったりで星が丸く写りませんでした(^_^;
カシオペア座の散開星団 NGC654、659、663
2ヶ月ほど自宅で天体写真を撮りませんでしたが、天気が良くない日が多かったです。星が丸く写らず縦横に少し伸びるので、苦手な光軸調整をしながら試し撮りしたのがこれなんですが、少しは良くなったかな?くらいのレベルに終わっています(^^;)
さらに、周辺部はコマ収差が強くて流れて写ってしまうので、補正レンズを自作した上で星の光条が綺麗に十字になるように「スパイダーマスク」なるモノまで自作して使ってみました。
7月29日に撮影しました。や座は、夏の大三角( こと座α星ベガ、わし座α星アルタイル、はくちょう座α星デネブ )の中にありますが、星座を構成するの星の数は4つしかなくて小さいです。あまり知られていない星座だと思いますが、さらにその星座にあるM71というこれまたあまり有名ではない天体を撮ってみました。
球状星団ですが、星の密集度はそれほどではなくて散開星団のようにも見えてしまいます。M71付近は天の川の中ですので、微光星もたくさん写りました。
ペルセウス座の二重星団 h-χ(NGC 869、884)
9月14日に撮影したものなんですが、月明かりの影響からほかに撮りたい天体が思いつかなかったので、露出時間を予定の30分から倍の60分にしてみました。
渦巻き銀河や散光星雲のような淡くて薄いものではなくて、星のようなコントラストの強い点光源は光害の影響が薄いようで良く写ってくれます。
露出時間は60分も必要が無くて、20分くらいでも充分な感じでした。
10月15日に撮ったものを焼き直ししてみました。月齢20の明るい月が出ていたのですが、露出時間25分でもこれだけ写っていました。
今度は1時間くらいの露出時間で新月期に撮りたいと思っているのですが、なかなか時間の都合が合いません(撮れる時に限って天気が悪くて)・・・(^_^;
10月18日に撮ったものを焼き直しして再アップしました。前回のものは黄色味が強く出ていたのですが、色調を変えて青味を強く出してみました。
光害の影響を受けると色が出にくい天体のようですが、ゴリゴリに強調処理して無理矢理色を出しました(^_^;
見かけの大きさが満月の直径の5倍ほどと大きいので、600mmほどの焦点距離では画角からはみ出すほどに写ってしまいます。明るくて大きな渦巻き銀河ではあるけれど、画像処理がとても難しいと思っています。
おうし座の散開星団 M45(プレアデス星団)
肉眼でもよく見える天体なのですが、よく見えるのは星団を構成する星で、ガスの部分は全く見えません。淡いガスがよく写るように露出時間60分で撮影しましたが、この写真以上に強調処理するとノイズで荒れてしまうので無理でした。このような天体は、やっぱり星空の暗い所で撮らなければダメですね・・・
11月28日に撮ったものです。やっぱり・・・散開星団は失敗がなくて、画像処理も楽です(笑)
露出時間は30分で充分なはずですが、予定では2時間近くにするつもりでした(実際には1時間20分)撮影の途中から赤道儀の調子が悪くなりましたが、多分気温低下によるグリスの硬化だと思います。
このまま30年前のものをずっと使い続けると、最新の撮影方法には対応できないし、使い勝手も悪いと言う事で、やがて買い換える日が来るのかもしれないですね。
来年ももうしばらくこの機材で撮影しようとは思いますが、メンテナンスしながら撮影方法や画像処理でもう少しカバーして良いものが撮れるようにしたいと思っています。
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